TUT Formula

第13回全日本学生フォーミュラ大会 参戦報告

豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULAは去る9月1日から5日にかけて,静岡県小笠山総合運動公園(エコパ)にて開催された 第13回全日本学生フォーミュラ大会に参戦して参りました。
各種目での得点・順位は次の表の通りです。




競技種目(括弧内満点)得点順位
コスト(100)47.119
プレゼンテーション(75)39.4734
デザイン(150)105.007
アクセラレーション(75)66.495
スキッドパッド(50)31.7017
オートクロス(150)90.95-
エンデュランス(300)254.413
燃費(100)39.1131
総合(1000)674.277

耐久走行賞3位

ベストラップ賞3位                             をいただきました。

日本自動車工業会長賞


第1日目

車検 - チーム受付 - ピット設営

今大会より、ピットや静的審査がスタジアムにて行われることとなりました。あらかじめピット配置図を作成していたためスムーズなピット設営を行うことができました。
初日は昨年度大会上位校の技術車検と静的審査が行われます。私たちTUT Formulaは初日午後一番の車検となりました。

車検 - 技術車検

技術車検では、我々が製作した車輌が大会側が示す安全基準を満たすかをチェックされます。
車検官による厳しいチェックを受けた結果、燃料系の漏れが1点のみ指摘されました. すぐに修正可能な内容であったため、修正を行い再車検を受けようとしていましたが、 雨天のため給油所が閉鎖し、給油不可能となり初日の再車検が受けられなくなってしまいました.
そのため、2日目の簡易車検での合格を目指すこととなりました。

第2日目

コスト審査

2日目はコスト審査から始まりました。コスト審査では車輌価格と事前に提出したコストレポートの正確さ、年間1000台製作可能か検証するリアルケースにより評価されます。
今シーズンは、コスト計算が正確に行えるようテンプレートファイルの見直しと改善を行いました。車輌価格は大きく変わっていいないものの、コスト計算の正確性が評価され例年よりも得点を伸ばすことができました。
コスト審査は19位で47.1 / 100 ptという結果でした。

デザイン審査

コスト審査を終えすぐにデザイン審査が行われました。デザイン審査では事前に提出するデザインレポートと各部の設計が妥当であるかが審査され、パネルなどを用いて車輌の説明をした後、審査官の質問に答える形をとります。
初めにTG10の設計コンセプトである「Always Smooth&Poweful」に基づき、各パートでコンセプトに対してどのようなアプローチを行ったかを、審査員に対して発表しました。
結果は7位で105 / 150 pt となり、残念ながらデザインファイナル出場はなりませんでした。

簡易車検

初日で指摘された燃料系の漏れを修正し、簡易車検を受けました。今大会では燃料系の車検が厳しくなっており、問題ないか慎重に検査されました。無事に合格することができました。

車検 - チルト・騒音・重量測定

簡易車検通過後、チルト試験と騒音試験に向かいました。チルト試験は車輌を45°傾けたときの燃料漏れのチェックと60°傾けた時に車輌が横転しないかを確認します。
騒音試験では大会側が指定したエンジン回転数での騒音を測定し110dB以下であるかを確認します。
どちらも問題なく合格することが出来ました。

車検 - ブレーキ

最後の車検はブレーキ試験です。これは,ブレーキを踏んだ時に四輪がロックするかを確認します。
一回目ではリアタイヤがロックせず不合格となりました。そのため、ブレーキバランスを調整し、二回目に挑みました。
二回目では全てのタイヤをロックさせることができ、無事にブレーキ試験に合格することが出来ました。
これで3日目からの動的審査に参加することができます。

プレゼンテーション審査

夕方よりプレゼンテーション審査が行われました。プレゼンテーション審査では、審査員を役員に見立て、設計した車輌のマーケティング・販売戦略を提案します。
3Dプリンターを用いた新たなカスタマイズ体制の導入を提案しプレゼンテーションを行いました。
結果は34位で39.47 / 75 pt という結果となりました。

第3日目

アクセラレーション

アクセラレーションでは車輌の加速性能を競います。
第1ドライバーの田中と第2ドライバーの岡野が挑戦しました。田中が1本目で4.363secという好タイムを出しました。
結果は5位で66.49 / 75 ptとなりました。

スキッドパッド

アクセラレーションと平行してスキッドパッドが行われました。スキッドパッドは8の字コースを走行し旋回性能を競います。
第1ドライバーの岡野が5.423sec、第2ドライバーの田中が5.484secとなりました。
結果は17位で31.70 / 50 ptとなりました。

オートクロス

雨雲が立ち込める中、午後からオートクロスが始まりました。オートクロスの結果によってエンデュランス走行の順番が決まります。
第1ドライバーの井坂が走り出すころに雨が降り始めており、コンディションが悪い中での挑戦となりました。しかし、バッドコンディションを物ともせず、58.600secという好タイムを出しました。
第2ドライバーの藤井も雨が降りしきる中での走行でしたが、71.209secというタイムを残しました。
次第に雨が強くなりスピンする車輌もあったため、今大会のオートクロスは中止となりました。そのため、オートクロス出場権を持っているチームすべてに一律90.95ptが与えられました。
タイムが非常に良かったため、悔やまれる結果となりました。

第4日目

プラクティス

最終日のエンデュランス出走へ向けてプラクティスを数回行い車輌の最終チェックとドライバーの走行練習を行いました。

第5日目

エンデュランス

午前中最後の組がTUT Formulaの出走順番でした。そのため、出走までに練習走行を行い車両の調整を行いました。
第1ドライバーの藤井は、1週目の68.468secから徐々にタイムを縮めてゆきました。
第2ドライバーの井坂は1周目から好タイムを出し、安定した走りをしていました。途中でフロントカウルの脱落がありましたが 無事に完走することができました。
結果は3位で254.41 / 300 ptとなりました。

燃費

エンデュランス終了後にどれだけ燃料を使ったかを測り、燃費を競います。
結果は31位で39.11 / 100 ptとなりました。

第13回全日本学生フォーミュラ大会を終えて

豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULA 部長 高橋 慶介
弊部では、全日本学生フォーミュラ大会に参戦し順位を上げる事だけではなく、実際にものづくりを体験し、将来社会を切り開くエンジニアになることも目指して日々活動をしております。
2015シーズンでは全動的審査5位以内を掲げ車輌を製作しました。特に、弊部発足してから初めてウイングを搭載し、設計・製作技術 や車輌性能が大きく前進したシーズンとなったのではないかと思っています。大会順位は総合7位と悔しい結果に終わりましたが、度重なるトラブルに悩みながらも解決し、大会に出場出来たことは大きな人生経験になったのではないかと思います。同時に、些細なミスが多くの人に迷惑を掛けてしまう事や、入賞することの難しさを再確認するシーズンにもなりました。
温かく、時に厳しく見守って下さったスポンサーの方々や OP の方々、FA の先生方、ご協力頂いた皆様方に厚く御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。皆様のおかげで私たちは将来を担える技術を持ったエンジニアとして日々成長することができております。来シーズンも私たちTUT FORMULAを応援して下されば幸いです。