TUT Formula Error

Formula SAEとは

教室の中だけでは優秀なエンジニアが育たないことにいち早く気づいた米国は,1981年(4輪自動車生産で日本が米国を追い抜き世界一になった翌年)から『ものづくりによる実践的な学生教育プログラム』として Formula SAE(SAE International主催)を開催しました.
1998年にはイギリスで,2000年にはオーストラリアで,2003年には日本で,2004年にはブラジルで,2005年にはイタリアで同様のルールによる競技が開催され,Formula SAE World Seriesと発展しています.

学生フォーミュラ日本大会

学生フォーミュラ大会
日本では2003年から社団法人 自動車技術会の主催により学生フォーミュラ日本大会として開催されています.第1回大会では17チームだった参加チームも最近の大会では約100チームと大幅に増えています.

コンセプト

フォーミュラスタイルの小型レーシングカーを,学生がチームを組んで企画・設計・製作したものを持ち寄り,大会では車の走行性能だけでなく,車両コンセプト・設計・コスト審査など,ものづくりの総合力を競います.
マシンの製作にあたって,機械・電気に限らず幅広い実践的な知識を習得するとともに,性能向上・原価低減・商品性向上などに挑戦します.
また,昨今の若手技術者や学生に求められている『自ら問題を発見し,解決していく能力の向上』が期待できるとともに,ものづくりの素晴らしさ・おもしろさを実感し,さらに,メンバー間のチームワークやリーダーシップの発揮が不可欠であり,学生たちがものづくりを通して貴重な経験を得ることになります.

競技の概要

静的審査配点動的審査配点
車検0アクセラレーション100
コスト審査100スキッドパッド75
デザイン審査150オートクロス125
プレゼンテーション75エンデュランス275
  効率100
静的審査合計325動的審査合計675
総合得点1000
競技は「静的審査」と「動的審査」の2つからなります.
静的審査ではマシンを商品とみなし,その設計,コスト,販売を想定したプレゼンテーションを審査されます. 動的審査では実際にマシンを走らせ,その加速性能,旋回性能,総合的な走行性能,耐久性,効率を競います.配点は右の表のようになっています.
静的審査は絶対評価ですが,動的審査は各競技で一番成績のよいチームを満点とした相対評価で採点されます.そのため,年々競技のレベルが高くなり,高得点を得るのは難しくなっていきます.
なお,すべての動的競技に参加するには車検に適合する必要があり,この車検通過が一つの関門といえるでしょう.

車検

車検
マシンが規則に適合しているかを確認する技術車検は,主に以下の項目で構成されます.
まず,ドライバーの装備品や消火器を確認する初期車検,EVの場合は車両搭載前のバッテリーパック・充電器検査が行われます.
次に,車両全体の構造や配線をみる機械・電気系車検,EVの絶縁状態を確認するアクティブ検査を経て,マシンを45°傾けた状態でのあらゆる液体の漏れの有無,および60°傾けた状態で転倒しないかを確認するチルト試験が実施されます.
さらに,IC(ガソリン)車両では排気騒音が110dBC以下であることを確認する騒音試験,EV車両では水を噴霧して絶縁監視装置が作動しないかを確認するレインテストが行われます.
最後に,実際に走行して4輪すべてが同時にロックすることを確認するブレーキ試験に合格する必要があります.
技術車検では,5秒以内の脱出テストやフラッグ(旗)の意味の理解度を含め,特にドライバーの安全面について厳しく検査されます.

コスト審査

コスト審査
コスト審査では1台の車輛を製造するに当たってどれだけのコストがかかるかを計上し,その正確さ,妥当性などが審査されます.配点は100点です.

デザイン審査

デザイン審査
ここでいうデザインとは車輛の外観ではなく,Designという言葉の本来の意味である設計のことをいいます.事前に提出する書類と各部の設計が妥当であるかが審査され,パネルなどを用いてマシンの説明をした後,審査官の質問に答える形をとります.デザイン審査は初日に行われますが,この中で上位になったチームは最終日のデザインファイナルに進出することができます.このデザインファイナルに進出できるということは,各部の設計が優れており,総じて動的競技での結果もよい傾向にあります.配点は150点です.

プレゼンテーション

プレゼンテーション
参加チームをある企業のプロジェクトと見なし,役員や上司に対して行う販売戦略のプレゼンテーションを想定して行われます.プレゼンテーションの内容もさることながら,発表者のプレゼンテーション能力も審査されます.配点は75点です.

アクセラレーション

アクセラレーション
アクセラレーションでは0-75mの加速を競います.エンジンの出力や車体重量などがタイムに影響しますが,発進時のクラッチミートなど,ドライバーがコンスタントにマシンの性能を発揮できるかどうかも鍵となります.配点は100点です.

スキッドパッド

スキッドパッド
スキッドパッドでは半径7.625mの円を2つ並べた8の字コースを走り,1つの円の1周にかかる時間でマシンの旋回性能を競います.タイヤを有効に使えるサスペンションや重心の低さなどが重要になります.配点は75点です.

オートクロス

オートクロス
1周約1kmのストレート,コーナー,スラローム,ヘアピン,シケインなどからなるコースを走行し,マシンの総合的な走行性能を競います.このオートクロスはエンデュランスのクオリファイを兼ねており,タイムのよいチームからエンデュランスを行います.配点は125点です.

エンデュランス

エンデュランス
エンデュランスはオートクロスと同様なコースを2人のドライバーが交代し合計22kmを走る耐久レースです.マシンの走行性能もさることながら耐久性や信頼性が問われます.配点は275点と各競技を通じて最も高い配点となっています.完走しないと全くスコアが得られないのでこのエンデュランスを完走できるかどうかが総合成績に大きく影響します.

効率

燃費
エンデュランスと同時に行われる競技です.エンデュランススタート前に燃料・電力を満タンにし,エンデュランス終了後にどれだけ燃料・電力を消費したかを測り,効率を競います.配点は100点です.