TUT Formula

第9回全日本学生フォーミュラ大会 参戦報告

豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULAは去る9月5日から9日にかけて,静岡県小笠山総合運動公園エコパにて開催された 第9回全日本学生フォーミュラ大会に参戦して参りました.
各種目での得点・順位は次の表の通りです.
競技種目(括弧内満点)得点順位
コスト(100)49.922
プレゼンテーション(75)30.040
デザイン(150)9412
アクセラレーション(75)55.5614
スキッドパッド(50)20.3028
オートクロス(150)15.2444
エンデュランス(300)350
燃費(100)032
総合(1000)268.0043

第1日目

車検 - チーム受付

嵐の余波が残る中,第9回全日本学生フォーミュラ大会が始まりました.
初日は昨年度大会上位校の技術車検と静的審査が行われており,私たちTUT Formulaはチーム受付と翌日の技術車検の予約を行い,明日の車検に向けた最終チェックを行いました.

第2日目

車検 - 技術車検

8:00から技術車検がスタートしました.技術車検では,我々が製作した車輌が大会側が示す安全基準を満たすかをチェックされます.
車検官による厳しいチェックを受けた結果,合計4点の指摘を受けました.指摘箇所の修正を行い,14:00から再車検を受け無事に技術車検に合格することが出来ました.

デザイン審査

9:30からはデザイン審査です.デザイン審査では事前に提出するデザインレポートと各部の設計が妥当であるかが審査され,パネルなどを用いて車輌の説明をした後,審査官の質問に答える形をとります.
初めにTG06の設計コンセプトである「Basic for Perfect 〜旋回特性の向上・高パワーウエイトレシオ・操作効率の向上〜」に基づき,各パートでコンセプトに対してどのようなアプローチを行ったかを,「モノコック」「サスペンション」,「パワートレイン」,「電装」にわかれて審査員に対して発表しました.
結果は94 / 150 pt となり4年連続のデザインファイナル出場はなりませんでした.

コスト審査

11:00からコスト審査が始まりました.コスト審査では車輌価格と事前に提出したコストレポートの正確さ,そして車輌の特定の箇所のコストを15%削減する手法を提案するリアルケースにより評価されます.
前半は提出したコストレポートに関する質問や不備等の指摘がなされました.特にカーボン製品の製作に関する部分で指摘を受けました.結果は車輌価格に関してが17.8 / 40 ptでコストレポートの正確さが19.2 / 40 ptとなりました.
後半のリアルケースではファイナルアセンブリ(車輌の組み立て工程)に関しての15%コスト削減案を提案しました.組立順序の変更や,軽量な部品の取り付け方法の変更によるコスト削減を提案しましたが,結果は13 / 20ptとなりました.
コスト審査全体では49.9 / 100 ptという結果に終わりました.

プレゼンテーション審査

13:45からはプレゼンテーション審査が行われました.プレゼンテーション審査では,審査員を役員に見立て,設計した車輌のマーケティング・販売戦略を提案します.
私たちはカートコースで走行することを想定して,安全性やデザインでの優位性,幅広いチューニングをアピールしました.
しかし,充分な練習が出来なかったこともあり,結果は30.0 / 75 pt という結果に終わりました.

車検 - チルト・騒音・重量測定

15時頃からチルト試験と騒音試験に向かいました.チルト試験は車輌を45°傾けたときの燃料漏れのチェックと60°傾けた時に車輌が横転しないかを確認します.
騒音試験では大会側が指定したエンジン回転数での騒音を測定し110dB以下であるかを確認します.
どちらも無事に合格することが出来ました.

車検 - ブレーキ

最後の車検はブレーキ試験です.これは,ブレーキを踏んだ時に四輪がロックするかを確認します.
一回目はアクセルワイヤーのステーが壊れるというトラブルにより合格できませんでしたが,ピットで修理を行い再度挑戦し,無事に合格することが出来ました.
これで明日からの動的審査に参加することができます.

第3日目

アクセラレーション

3日目午前中ははじめにアクセラレーションに向かいました.アクセラレーションでは車輌の加速性能を競います.
第一ドライバーの赤松が1回目で4.480secというタイムを出しましたが,アクセルワイヤーが外れるというトラブルにより1回のみの走行となりました.
次に第二ドライバーの井上が挑戦するも練習不足により1回目7.240sec,2回目は6.247secという結果に終わりました.
結果は14位で55.56 / 75 ptとなりました.

スキッドパッド

アクセラレーションと平行してスキッドパッドが行われました.スキッドパッドは8の字コースを走行し旋回性能を競います.
第一ドライバーの赤松が1回目,まず感覚を掴むために慎重に走行した結果6.474secと振るわなかったものの,2回目では5.623secとタイムを向上させました.
第二ドライバーの井上がスキッドパッドに向かいましたが,次で走行と言う所で時間が来てしまい,走行することはできませんでした.
結果は28位で20.30 / 50 ptとなりました.

オートクロス

午後からはオートクロスが始まりました.
オートクロスは第一走者の赤澤が一周目慎重に走行し72.014secというタイムを確実に残しました.
第二走者の谷地中は最初から好調に走行し65.026secというタイムを残しました.

第4日目

プラクティス

オートクロスの結果が振るわなかった事もありエンデュランス走行が最終日となったため,最終日のエンデュランス出走へ向けてプラクティスを数回行い車輌の最終チェックとドライバーの走行練習を行いました.

第5日目

エンデュランス

午前中5番目がTUT Formulaの出走順番であったため,朝早くコースに並び8:30頃エンデュランススタートしました.
第一ドライバーの赤澤が順調に周回を重ねていこうとしましたが,大会中から現れていた旋回時にエンジンが止まるというトラブルが発生.
4周目に入るも,エンジンが幾度と無く止まり,最後はセルモータの回しすぎにより,バッテリーが上がってしまいリタイアとなってしまいました.

第9回全日本学生フォーミュラ大会を終えて

豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULA 部長 赤松 陽介
全日本学生フォーミュラ大会も,今年で9回目を向かえ,参加チームのレベルも年々上昇しております.そのような中で,今シーズンのメンバーはほとんどが設計の経験がなく,初めて設計から車輌製作を行いました.技術不足やスケジュール管理の甘さなど,多くの苦労がありました.自分たちがものづくりをしていくことを通じて,先輩方の技術力の高さと自分たちの読みの甘さを知りました.大会の結果は満足のいくものではありませんでしたが,CFRPにおける新しい技術に挑戦するなど,私たちはこの大会への取り組みの中で,ものづくりのつらさ,楽しさを知り,一段と成長できたと思います.
最後になりますが,資金支援や物品支援,技術支援などで私たちの活動を支えてくださったスポンサーの皆様,学内,学外の活動を問わず手助けしてくださった学校関係者の皆様,一番近くで私たちの活動を見守ってくださったFAの先生方,TUT FORMULAを創り,卒業後も見守り,応援していただいているOBの方々,その他にもたくさんの皆様のおかげで,私たちは2011シーズンを終えることができました.今シーズンの活動報告が不十分であった点,途中の役員交代など皆様にご心配をおかけした点をお詫びするとともに,皆様のお力添えに厚く御礼申し上げます.