第8回全日本学生フォーミュラ大会 参戦報告
豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULAは去る9月7日から11日にかけて,静岡県小笠山総合運動公園エコパにて開催された 第8回全日本学生フォーミュラ大会に参戦して参りました.各種目での得点・順位は次の表の通りです.
競技種目(括弧内満点) | 得点 | 順位 |
コスト(100) | 40.3 | 31 |
プレゼンテーション(75) | 37.50 | 29 |
デザイン(150) | 125 | 5 |
アクセラレーション(75) | 0 | 45 |
スキッドパッド(50) | 0 | 34 |
オートクロス(150) | 7.5 | 47 |
エンデュランス(300) | 0 | 33 |
燃費(100) | 0 | 33 |
総合(1000) | 210.30 | 44 |
第1日目
車検 - 技術車検
私たちTUT Formulaも前年度大会で総合11位と上位だったため初日に技術車検を受ける権利を得ることができました.
技術車検では,我々が製作した車輌が大会側が示す安全基準を満たすかをチェックされます. 学生が製作した車輌に人が乗って走行するため,チェックは大変厳しく行われます.
15:00頃から車検が開始され各所についてチェックを受けた結果,合計6点の指摘を受け,2日目以降で再車検を受けることになりました.
第2日目
プレゼンテーション審査
プレゼンテーション審査は『競技のコンセプトに沿い,製造会社の役員と見立てた審査員に設計の優れていることを確信させる』ことが目標であり,アピールする内容や発表者のプレゼンテーション能力が評価されます.アンケート等により事前に市場調査を行ったものの,充分な練習が出来なかったこともあり,結果はは37.5 / 75 pt と反省すべき結果でした.
コスト審査
コスト審査では車輌価格と事前に提出したコストレポートの正確さ,そして車輌の特定の箇所のコストを15%削減する手法を提案するリアルケースにより評価されます.前半はコストレポート中の不備等を指摘され,指摘された箇所に関してこれで問題はないのか,それとも不備があったのかを審査員に答えました.何度もチェックを行って提出したとはいえ,計上するのを忘れていた部品などがあり,問題のある場所を的確に指摘されました. また,後半のリアルケースではシャシに関しての15%コスト削減案を提案しました.私達のシャシはカーボンモノコックシャシであり多くのチームのシャシと異なるため,審査員も積極的に質問等をして下さり,結果16/20ptと好成績を収めることが出来ました.
やはりコストの高いカーボン製品が多いこともあるためいかにしてコストダウンを行うかと,より正確なコストレポートを製作することが今後の課題となりそうです.
デザイン審査
デザイン審査では事前に提出するデザインレポートと各部の設計が妥当であるかが審査され,パネルなどを用いて車輌の説明をした後,審査官の質問に答える形をとります.初めにTG05の設計コンセプトである「Basic for Perfect 〜軽量・低重心・低ヨー慣性モーメント〜」に基づき,各パートでコンセプトに対してどのようなアプローチを行ったかを,「モノコック」「サスペンション,ステアリング」,「パワートレイン」,「電装」にわかれて審査員に対して発表しました.
その後,各パートで審査員と一対一の質疑応答が繰り返されました.特にモノコックとカーボンブレーキロータに関しては審査員から多くの質問が聞かれました. 結果,最終日に行われるデザインファイナルの出場権を得ることが出来ました.
車検 - 技術車検
また,同時にドライバー脱出の試験を行ないました.これは5秒以内にドライバーが車輌から脱出しなければならないというもので,3回失敗すると大会で走行することができません.
今年はじめてドライバーを行うメンバーが多い中全員無事に脱出試験を合格することができました.
第3日目
車検 - 技術車検
車検 - ブレーキ・騒音
燃料供給を受け,4輪ロックするかを確認するブレーキ試験を受けに行きました.ここで3回4輪ロック試験を行ったのですが,後輪がロックせず一度ピットに戻って車検官から頂いたアドバイスによりブレーキホースのエア抜きを行いました.
11:30ごろに再びブレーキ試験を行いましたが,4輪ロックすることは無く,この時点でアクセラレーション競技とスキッドパッド競技に参加することができなくなりました.
再びオートクロス競技に向けてブレーキホースのエア抜きを行いブレーキ試験に臨んだところ無事に4輪ロックしブレーキテストに合格することができました.
その後その足で騒音試験に臨みました.騒音試験の方は109dBで無事に合格となりました.
オートクロス
第二走者の上嶋も1週目から記録を残そうとしたものの,シフト系のトラブルにより途中でリタイアとなり,満足のいく記録を残すことができないまま終了してしましました.
第4日目
車検 - 重量測定
車輌重量は195kg.カーボンモノコックやC/Cブレーキ,また個々の部品の軽量化の努力により今大会の4気筒エンジン搭載車両の中ではトップクラスの軽さの車輌に仕上がりました.
プラクティス
プラクティスでは大きな問題も発生せず,エンデュランスへの準備は万端です.
第5日目
エンデュランス
上嶋からセカンドドライバーである赤澤に交代.ドライバー交代時に一度エンジンを切るため,毎年オーバーヒートした感じを微塵も見せずにエンジンは再び始動し.
赤澤も順調に走行し好タイムを記録するも,残り2週というところでシフト系のトラブルで車両は止まってしまい,残念ながら再び走り出すことができず途中リタイアになってしまいました.
デザインファイナル
デザインファイナルは2日目に行われたデザイン審査の上位5校が出場でき,オーディエンスの前で車輌について発表します.TUT FORMULAは今年で3年連続となるデザインファイナル出場をはたしました.第8回全日本学生フォーミュラ大会を終えて
豊橋技術科学大学 自動車研究部 TUT FORMULA 部長 赤澤 直哉
最後に資金支援や物品支援または技術等の面で私達の活動を支えてくださったスポンサーの皆様,学内・学外の活動を問わず手助けしてくださった学校関係者の皆様,一番近くで私たちの活動を見守ってくださったFAの先生方,いつも私達を気にかけてくださったOBの先輩達,その他大勢の部活動を支えてくださった皆様のおかげで私たちは今シーズンを終えることが出来ました.厚くお礼申し上げます.